現代美術家・中谷芙二子氏による庭園アートプロジェクト「中谷芙二子《白い風景―原初の地球》霧の彫刻 #47769」が姫路市立美術館にて、2023年11月26日まで開催中。
姫路城を借景に、登録有形文化財の赤煉瓦の美術館建物、12 点の彫刻作品が並び立つ、歴史と文化の趣深い庭園で、姫路に新しい芸術の息吹を吹き込む、新しい「霧の彫刻」が創り出されます。
今年度のテーマは「風景を聴く」。聴覚と自然の融和にフォーカスする本作は、中谷氏の入念なプランニングによって作り出される“霧の渚”を美術館の庭園に顕現させ、より研ぎ澄まされた精神の世界へとわたしたちを誘います。
霧の彫刻
「霧の彫刻」は、本来自然現象である霧を、特殊ノズルと高圧ポンプを用いて人工的に発生させるアート作品です。
人工の霧はしかしながら、一度大気に解き放たれると、風や気温、湿度、天気などの周辺環境に呼応して濃度や形を変え、さまざまな形を私たちに見せます。それはまさに、自然現象そのものを形として可視化したともいえるかもしれません。
「霧の彫刻」においては、人間の作り出したものと自然とが対等に作用しあい、自然に挑みながら自然にゆだねる“共働”の関係性が築かれるのです。また、「霧の彫刻」は、見慣れた光景を全く異なる世界へと一変させ、日常では見過ごされていた風景に再び関心の目を向けさせ、見る者に新たな気付きを与えます。さらに「霧」という “真っ白な闇の世界”に視界を奪われ、自らの身体の五感の全てを駆使して空間を知覚することを促され、わたしたちの意識は人間社会の日常から自然へと“超越”します。「美とは、人それぞれが自分の方法で発見する自然との関係の中に生まれてくるもの」という中谷氏の美意識が、霧を媒介とした、人と自然の「関係性が生じる場」を創り出します。
中谷 芙二子
“霧のアーティスト”として世界に知られる。1933年、北海道札幌市生まれ。
霧の作品は、世界各地で90を超える。2017年にはロンドンのテート・モダン新館で新作を発表。2018-19年には水⼾芸術館で初めての大規模な個展を開き、日本、アメリカ、ドイツ、フランスで次々に新作を発表。2021 年4 月に開館した⻑野県立美術館の前庭に、「霧の彫刻《Dynamic Earth Series I》」が常設された。 2022年、ミュンヘンのハウス・デア・クンストで、大規模な回顧展を開催している。2022年、「自然現象を彫刻として提示する新しい表現を切り開いた」として文化功労者に選出された。また2023年、「アート制作の可能性を再定義し、ビジュアルアートを生まれ変わらせた」として、ウルフ賞芸術部門を受賞した。
画像出典:公式プレスリリース
※営業時間等、変更の可能性がございますので、ご利用前には必ず公式サイトやSNSにて最新情報をご確認ください。
イベント名 | 中谷芙二子《白い風景―原初の地球》霧の彫刻 #47769 |
会場 | 姫路市立美術館 |
開催日 | 開催中~2023年11月26日まで※月曜日(祝日・休日を除く)7/18、9/19、10/10は休園 |
開催時間 | 午前10時~午後5時まで |
アクセス | JR姫路駅・山陽電車姫路駅から徒歩 20分 神姫バス 姫山公園南・医療センター・美術館前 下車 徒歩すぐ 車:姫路バイパス中地ランプから 15分 車:山陽自動車道 姫路東IC・姫路西ICから 15分 |
予約 | 予約不要 |
問合せ先 | TEL:079-222-2288 |
HP | 公式ホームページ |
その他 |
©︎Fujiko Nakaya photo: Atsushi Nakamichi/Nacása & Partners Inc
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