徳島県那賀郡那賀町木頭地区(旧木頭村)の地方創生に取り組むKITO DESIGN HOLDINGS グループが運営する「未来コンビニ」が2021年11月12日、日本最大級の空間デザインアワード「日本空間デザイン賞 2021」のグランプリ「KUKAN OF THE YEAR 2021/日本経済新聞社賞」と、ショップ空間部門「金賞」をW受賞しました。
”世界一美しいコンビニ“をデザインコンセプトに設計された未来コンビニ。デザインの軸となるY字のトラス構造は、木頭の特産である柚子畑をイメージして設計され、明るいイエローに塗り分けられました。道路に面した壁一面をガラス張りにし、店舗の外には、経年変化を楽しめる国産の松の木の素材でできた水はけの良いウッドチップを敷き詰めることで、雨の多い木頭の美しい自然との一体感を店内からも感じられる設計となっています。
また、子供たちへの目線も設計に反映されています。店内の陳列棚は、子供たちや地元の高齢者の方が商品を手に取りやすいようにと一般のコンビニよりも低めに設計され、これにより解放感のある空間を実現しています。
店内奥は「木頭ゆず」のオリジナルメニューを体験できるカフェスペースや、子どもたちが様々な絵本や美しい木頭の映像を楽しめるエリアとして設計され、人々が気軽に集まれる交流の場として地元住民や観光客に愛されるとともに、木頭のアイコン的存在となっています。
未来コンビニのコンセプト -“子供は未来から来た未来人”-
未来の主役である子供たちには、無限の可能性と未だ見ぬ幾多の選択肢があります。
この未来コンビニという場所が、未来の主役である子供たちに響くように。子供たちの未来に何かを与えられるように。未来コンビニは、そんな願いから生まれた“子供は未来から来た未来人”というコンセプトをもとに名づけられ、2020年4月に誕生しました。
未来コンビニ、そして私たちの「挑戦」
木頭地区(旧・木頭村)は徳島県と高知県の県境に位置し、人口約1,000人5歳以上が過半数を占める”限界集落”です。この村は東西に大きく広がり、村の端から端まで移動するには車で30分以上を要するほど広大な地域です。未来コンビニは、この広大な村の最西端、居住人口がたった約200人の「北川集落」と呼ばれる地域に建築されました。
北川集落には商店が無く、最寄りのスーパーまでも車で約1時間かかるなど、生活必需品の買い物が非常に不便な環境下から、いわゆる「買い物難民」が生まれていました。
未来コンビニ誕生の背景の一つには、このような地元の人々の買い物環境改善がありました。
この僻地にコンビニという施設を新たに建築し、通り道にすぎなかった場所を「訪れるべき場所」に生まれ変わらせ、訪れる全ての人と地域とを繋ぎ、木頭の未来を紡ぐ。この未来コンビニの取り組みは、過疎化・高齢化など地方が抱える課題に対する、木頭プロジェクトとしての大きな「挑戦」の一つでした。
KITO DESIGN HOLDINGS株式会社 代表取締役 藤田 恭嗣 氏
KITO DESIGN HOLDINGS株式会社 取締役/クリエイティブ・ディレクター 鵜野澤 啓祐 氏
コクヨ株式会社 クリエイティブデザイン部部長/チーフデザイナー 佐藤 航 氏(建築・デザイン設計担当)
画像出典:公式プレスリリース
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イベント名 | 日本空間デザイン賞 2021 |
開催日 | 2021年11月12日 |
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