京橋にある国立映画アーカイブにて、2022年2月1日(火)から企画上映「1990年代日本映画――躍動する個の時代」が開催されます。
時代を代表するヒット作や新しい才能による重要作などを中心に、計66本(57プログラム)によって、1990年代の日本映画を回顧する映画好きにはたまらない一大企画です。
「1990年代日本映画――躍動する個の時代」見どころ
■日本映画史に残るヒット作品、社会現象になった話題作
当時の日本映画の歴代配給収入記録を塗り替えた『もののけ姫』(宮崎駿)をはじめ、90年代の実写日本映画最大のヒットとなりシリーズ化もされた『踊る大捜査線 THE MOVIE』(本広克行)、ブームを巻き起こし後にハリウッドでもリメイクされた『Shall we ダンス?』(周防正行)や『リング』(中田秀夫)、単館系26週ロングランとなり映画賞を席巻した話題作『月はどっちに出ている』(崔洋一)などを上映します。
■第一線で活躍する監督たちの初期作に注目
1990年代には様々な分野から監督デビューが相次ぎ、その多くが現在も活躍し続けています。是枝裕和『ワンダフルライフ』、岩井俊二『Love Letter』、橋口亮輔『二十才の微熱』、松岡錠司『きらきらひかる』、佐藤嗣麻子『エコエコアザラク WIZARD OF DARKNESS』、園子温『部屋 THE ROOM』、熊切和嘉『鬼畜大宴会』、三池崇史『新宿黒社会 チャイナマフィア戦争』、廣木隆一『800 TWO LAP RUNNERS』平山秀幸『ザ・中学教師』、青山真治『Helpless』、矢口史靖『ひみつの花園』など、日本映画を牽引するトップランナーたちの若々しい初期作品に注目ください。
■女性監督の躍進
1990年代には女性の監督が増え始めました。松浦雅子『人でなしの恋』、佐藤嗣麻子『エコエコアザラク WIZARD OF DARKNESS』、風間志織『冬の河童』、松井久子『ユキエ』、浜野佐知『第七官界彷徨 尾崎翠を探して』といった長篇作品、また、河瀨直美による中篇や実験映画で活躍した小口詩子、和田淳子の短篇作品も上映します。
■映画に見る女性像の変遷
「ジェンダー」という言葉が定着し、性別役割に対する意識が変化した1990年代には、女性のライフスタイルについても従来とは異なる観点で描かれるようになりました。主体的なヒロイン像を描いた『ひみつの花園』(矢口史靖)、働く女性のシスターフッドを題材とした『OL忠臣蔵』(原隆仁)、時代に即した家庭像を反映した『毎日が夏休み』(金子修介)など、ユニークな試みにご注目ください。
■多様化するセクシュアリティ
1990年代は、同性愛者に対する差別が違憲とされたり、ゲイやレズビアンの人々がメディアで積極的に取り上げられるなど、LGBTに対する意識が前景化した時代でもありました。映画もまた、この主題を意欲的に取り上げました。本上映会では、セクシュアリティの混沌を題材とした実験映画『ばら科たんぽぽ』(小口詩子)や、女性同性愛描写が含まれる『エコエコアザラク WIZARD OF DARKNESS』(佐藤嗣麻子)、日常ドラマにおいて男性同性愛者を描いた『二十才の微熱』(橋口亮輔)『800 TWO LAP RUNNERS』(廣木隆一)『きらきらひかる』(松岡錠司)などを上映します。
■時代を魅了した俳優たち
《活躍した話題作を上映》
役所広司『Shall we ダンス?』『シャブ極道』『CURE』 /豊川悦司『きらきらひかる』『Love Letter』『居酒屋ゆうれい』 /永瀬正敏『死んでもいい』『我が人生最悪の時』/織田裕二『踊る大捜査線 THE MOVIE』 /哀川翔『ネオ チンピラ 鉄砲玉ぴゅ~』/片岡礼子『二十才の微熱』『鬼火』
《俳優キャリアの原点!若き日の作品を上映》
西島秀俊『居酒屋ゆうれい』/浅野忠信『Helpless』/井浦新(ARATA)『ワンダフルライフ』/西田尚美『ひみつの花園』/渡辺真起子『M/OTHER』/板谷由夏『アベックモンマリ』
■アニメーション映画の作家性の深まり
1990年代は、劇場用アニメーションが幅広いファン層を獲得して作家性が深まり、インパクトの大きな作品が送り出されました。多大な影響を及ぼした作品として、『機動警察パトレイバー2 the Movie』(押井守)、『耳をすませば』(近藤喜文)、『もののけ姫』(宮崎駿)、『PERFECT BLUE』(今敏)を35mmフィルムでご覧いただけます。
■海外映画祭など国際的に評価された作品
1990年代には、海外映画祭で日本映画が注目を集め、国際的な評価が高まりました。ヴェネツィア国際映画祭で受賞した北野武『HANA-BI』、カンヌ国際映画祭で評価された諏訪敦彦『M/OTHER』、ベルリン国際映画祭などで受賞した篠崎誠『おかえり』、ロカルノ国際映画祭で注目された塩田明彦『月光の囁き』、サン・セバスチャン国際映画祭やナント三大陸映画祭などで受賞した是枝裕和『ワンダフルライフ』などを上映します。
画像出典:公式プレスリリース
※営業時間等、変更の可能性がございますので、ご利用前には必ず公式サイトやSNSにて最新情報をご確認ください。
イベント名 | 1990年代日本映画――躍動する個の時代 |
会場 | 国立映画アーカイブ 長瀬記念ホール OZU[2階] |
開催日 | 〈第1期〉2022年2月1日(火)―3月6日(日) 〈第2期〉2022年4月5日(火)―5月1日(日)※月曜休館 |
アクセス | 東京メトロ銀座線京橋駅出口1から昭和通り方向へ徒歩1分 都営地下鉄浅草線宝町駅出口A4から中央通り方向へ徒歩1分 東京メトロ有楽町線銀座一丁目駅出口7より徒歩5分 JR東京駅下車、八重洲南口より徒歩10分 |
予約 | 前売指定席券のみ |
問合せ先 | TEL:050-5541-8600(ハローダイヤル) |
HP | 公式ホームページ |
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