国立能楽堂にて実施されている、作品の魅力を新たな視点で捉えなおす「再発見する」シリーズ。7月特別企画公演『賀茂物狂』が2022年7月28日(木)・30日(土)に上演されます。
『賀茂物狂』あらすじ
御手洗川の流れも清らかな上賀茂社へ、音信の途絶えている夫への恋慕を断ち切りたいと、一人の女が現れます。しかし賀茂の神職が伝える神の託宣はその反対に、夫との再会を祈りなさいというものでした。
時は移り、都人(女の夫)が3年の東国滞在を経て都の私宅へ戻ります。そこで妻が行方知れずとなっていると聞くにおよび、再会を祈ろうと都人は上賀茂社へ急ぎます。頃は初夏、北祭(葵祭)で境内が大勢の人で賑わう中、夫への思いゆえに物狂となった女が現れ、都人の促しに従って神に舞歌を手向けます。
舞歌によせて女が孤独な心の中を吐露するうち、お互いが実は探し求めている男女同士であることに気付きます。しかし二人とも人目をはばかって名乗り出せず、素知らぬ風を装いながら、それぞれ別の道をたどって家へと向かい、再会を果たすのでした。
現行の演出では、物語後半の夫婦再会の場面のみが演じられますが、女に明神の神託が下るという、本来演じられていた前半部分が加わることで、女の恋慕の切なさが強調されます。またその神託が在原業平を祀った岩本社の明神のものであることは、後半、女が神前に舞歌を手向ける場面や〈クセ〉で語られる東下りなどの伏線ともなっていて、作品に一層の奥行きをもたらし、本作の特異な魅力が明らかとなります。
画像出典:公式プレスリリース
※営業時間等、変更の可能性がございますので、ご利用前には必ず公式サイトやSNSにて最新情報をご確認ください。
イベント名 | 7月特別企画公演『賀茂物狂』 |
会場 | 国立能楽堂 |
開催日 | 2022年7月28日(木)・30日(土) |
開催時間 | 午後1時開演(午後4時頃終演予定) |
アクセス | 中央・総武線 千駄ヶ谷駅 徒歩 約5分 大江戸線 国立競技場駅 A4出口から 徒歩 約5分 |
予約 | チケット制(国立劇場チケットセンター・カンフェティ) |
問合せ先 | TEL:0570-07-9900 (一部IP電話等:03-3230‐3000) |
HP | 公式ホームページ |
その他 |